更新日:2025年5月29日
なぜ「減配に見える銘柄」があるのか?
配当金の推移をチェックすると、ある年に配当が多く、翌年に減っているように見えることがあります。しかし、それが必ずしも業績悪化による「減配」だとは限りません。特別配当や記念配当など、一時的な上乗せによって前年が「高すぎただけ」の可能性があるのです。
アルプス技研(4641.T)の配当金推移をチェック
以下は、Yahoo!ファイナンスに掲載されているアルプス技研の配当金推移です(2024年時点)。
年度 | 年間配当金 | 特別配当・記念配当 | 実質的な普通配当 |
---|---|---|---|
2020年 | 58 | 0 | 58 |
2021年 | 60 | 0 | 60 |
2022年 | 70 | 10(記念配当) | 60 |
2023年 | 62 | 0 | 62 |
2024年(予想) | 64 | 0 | 64 |
2022年に記念配当が10円あったため、配当が「70円」となっています。しかし実質的な普通配当は60円であり、2023年には62円に増配されています。
グラフで見ると減配に見えるが…
以下のように配当金推移グラフをざっくり見ると、2022年→2023年で「減配」しているように見えるかもしれません:

しかし、これは記念配当による一時的な増配が原因。実質的には右肩上がりの増配傾向です。
特別配当を除いて見るべし!
見かけ上の数値だけで「減配銘柄」と判断するのは危険です。特別配当・記念配当を差し引いた普通配当の実質的な推移を確認することで、継続的な配当方針を正しく判断できます。
特に高配当株を探している方にとって、「安定配当 or 増配継続」は重要な判断基準です。長期的な配当政策を見抜く力が、投資パフォーマンスを左右します。
まとめ:アルプス技研は実質増配を継続中!
- 見かけの減配は記念配当の影響
- 実質的な普通配当は増配傾向
- 減配銘柄と誤解されやすいが、安定配当株の一例
今後も配当利回りや企業業績、IR方針などを注視しながら、着実な資産形成を目指しましょう。