■ 6809:TOA株式会社
業種:電気機器
ディフェンシブ性:○(ややディフェンシブ)
◆ 事業概要・直近の動向
・構内放送設備、非常・防災放送、セキュリティ音響機器を主力とする社会インフラ系メーカー。
・鉄道・空港・スタジアム・教育・病院など、公共性の高い施設向けが中心。海外展開は東南アジアや中東が軸。
・決算では、国内の設備更新需要や自治体関連案件が底堅く、海外でも大型案件が伸長。
◆ 分析
・設備更新・防災需要といった社会インフラ更新テーマと強く結びついており、ディフェンシブ性が高い。
・プロジェクトベースで業績が動きやすいが、長期契約・納入後の保守等で収益安定化傾向も。
・製品の高信頼性・独自性が評価されやすく、競争も限定的。
◆ 投資戦略
防災・公共インフラという安定成長領域に特化。景気後退局面でも底堅く、ポートフォリオの守りとして有効。大きなバリュエーションの乖離があれば、押し目を狙いたい銘柄。
■ 4206:アイカ工業
業種:化学
ディフェンシブ性:△(やや景気敏感)
◆ 事業概要・直近の動向
・住宅・商業施設向けのメラミン化粧板、接着剤、樹脂などを展開する化学メーカー。
・建材の高耐久性・デザイン性に強み。海外(特にインド・ASEAN)への展開を積極化。
・直近は国内建設市況に若干の減速がある一方で、海外事業は好調を維持。
◆ 分析
・国内は住宅着工数の減少影響を受けやすいが、商業施設やリフォーム需要で下支えあり。
・東南アジアやインドでの建築市場の拡大を捉えた展開に強み。海外比率の高まりが中長期的な収益成長に貢献。
・製品ポートフォリオは利幅の大きい中高価格帯が中心。
◆ 投資戦略
短期では建設市況の影響を受けやすいが、海外収益の伸長に注目。為替耐性もあり、グロース+バリュー要素を併せ持つ中堅株として押さえておきたい。
■ 2902:太陽化学
業種:食料品
ディフェンシブ性:◎(ディフェンシブ)
◆ 事業概要・直近の動向
・食品素材(乳化剤、増粘剤、機能性食品素材)を開発・製造。業務用向けが中心。
・機能性・保存性・風味改良など、BtoB食品素材における付加価値提供に強み。
・直近は価格転嫁が進み、国内外ともに堅調。中国向けはやや調整。
◆ 分析
・景気に関係なく一定需要のある業務用食品素材メーカーとして、明確なディフェンシブ銘柄。
・自社研究所による高付加価値素材の開発に力を入れており、健康志向・高機能食品のトレンドと合致。
・海外展開のリスクもあるが、国内事業が非常に安定。
◆ 投資戦略
安定配当とディフェンシブ性に注目。急成長は期待しにくいが、景気後退局面で相対的に強さを発揮するポートフォリオの“守り”。割高感がなければ中長期保有で評価。
■ 3861:王子ホールディングス
業種:パルプ・紙
ディフェンシブ性:△(やや景気敏感)
◆ 事業概要・直近の動向
・製紙業界最大手。段ボール、包装資材などパッケージ分野が収益の柱。
・海外(東南アジア・南米)での製造・森林資源保有による垂直統合が進んでいる。
・バイオマス発電、環境対応材料などの新事業投資も継続。
◆ 分析
・紙媒体の需要減少は進行中だが、ECの拡大に伴う包装材需要が構造的に成長。
・価格改定の浸透と、生産効率の改善で利益率改善中。
・環境規制強化が逆に追い風になり、再生可能素材や非プラ代替への需要増大。
◆ 投資戦略
旧来の製紙業からの脱却を進める企業。環境・再エネ・資源循環といったテーマ性を評価する中長期視点が必要。景気敏感性は残るが、今後の変革を見据えた長期投資が有効。
■ 6908:イリソ電子工業
業種:電気機器
ディフェンシブ性:×(景気敏感)
◆ 事業概要・直近の動向
・車載用コネクタを中心とした精密電子部品メーカー。ADASやEV向けに強み。
・開発から製造まで一貫し、大手完成車メーカーおよびティア1との取引多数。
・直近は自動車生産回復に伴い需要も増加。中国市場の需給調整がやや重荷。
◆ 分析
・EV・自動運転の普及に連動しており、長期トレンドでは成長期待大。
・車載用は安全性・耐久性要件が厳しく、同社の技術優位性が差別化要因。
・ただし、短期的には在庫調整や為替変動に振られやすい。
◆ 投資戦略
短期ではボラティリティがあるが、中長期ではモビリティ変革とともに成長するコア部品企業として期待できる。成長性に対してPERが割安な場面では積極的に拾いたい銘柄。