ケイティケイ(3035)配当は12円から21円へ、実質無借金でPBR0.8倍の名古屋のオフィス用品会社

15C卸売業

10月2日に決算が出たので、ケイティケイを読んでみました。トナーカートリッジの再生やオフィス用品、PC・複合機の販売を手がける名古屋の卸売会社で、時価総額は約42億円です。今期は営業利益が3割増えて過去最高になったので、その中身を短信で確かめました。

銘柄カード

  • 会社名(証券コード):ケイティケイ(3035)
  • 業種:卸売業
  • 規模:超小型株(時価総額 約42億円)
  • 配当利回り:3.0%(前日終値726円、会社予想の配当22円で計算)
  • 年間配当:22円(2027年8月期の会社予想。2026年8月期は21円)
  • ラベル:高配当(3%以上)。ただし3%ちょうどです
  • 何の会社?:名古屋の卸売会社です。売上の約76%がサプライ事業で、再生トナーなどのリサイクル商品、OAサプライ、文具・事務用品、オフィス家具を扱います。残りの約24%がITソリューション事業で、PC・複合機・セキュリティ機器・ネットワーク機器の販売とDX導入支援です。サプライ事業を土台に、ITを成長事業と位置づけた中期経営計画「Growth Plan 2027」(2025年8月期〜2027年8月期)を進めています。1971年設立、2006年に上場し、今は東証スタンダードで、決算は8月20日です。

気になる数字(冒頭チェック)

気になる数字(冒頭チェック)

左が今の値、右が推移です。緑の●は基準を満たしたもの、橙の▲は注意して見るものです。

割安さは、PER 9.4倍とPBR 0.79倍が基準を満たしています。配当利回りは3.0%で、基準の3%にちょうど届いた形です。株価が約1%上がると3%を割ります。PBRは1倍を割っていて、純資産50.3億円に対して時価総額は約42億円です。

推移を見る項目では、売上高は169億円から202億円へ、緩やかですがブレずに伸びています。自己資本比率は34.3%から48.1%へ10年かけて上がり、40%の基準を超えました。現金等も29.6億円と、10年でいちばん多くなっています。

▲は5つあります。EPSは38円から90円へ伸びましたが、2018年・2022年・2023年・2025年の8月期は前の年より下がっています。営業利益率は1.3%から2.8%へ上がってきたものの、基準の10%には遠く、卸売業は利益率が低めになりやすい業種です。営業キャッシュフローは2022年8月期に−1.9億円のマイナスがあり、前の年より減った年も5回あって、きれいな右肩上がりではありません。1株配当は2018年8月期に12円から10円に下がった年が1回あり、配当性向は23.5%で30〜50%の範囲に届いていません。

今期の中身は、売上高が6.7%増、営業利益が30.8%増です。会社は、売上高と各段階の利益がすべて過去最高だったと説明しています。サプライ事業(売上の約76%)の利益が14.7%増、ITソリューション事業が37.2%増でした。営業利益率が2.25%から2.76%に上がったのは、粗利率が23.5%から24.1%に改善した影響が大きく、販管費率は21.3%でほぼ横ばいでした。

ここまでの一言:利益が伸びて財務も厚くなっているのに、株価は純資産を下回ったままです。気になるのは、利益率の薄さと、今期の営業キャッシュフローの中身です。

配当の10年

配当の10年(棒グラフ)

配当は10年で12円から21円まで、前の年との比較9回のうち増配が6回、据え置きが2回、減配が1回でした。減配は2018年8月期の12円から10円で、EPSが38円から30円に下がった年です。2017年8月期の12円は、短信では普通の期末配当として載っていて、記念配当や特別配当の記載はありません。そのため、特別配当の反動で下がったわけではなさそうです。

2023年8月期からは15円、16円、17円、21円と、4期連続で増配しています。今期の21円は中間10円(前期は8.5円)と期末11円で、来期の会社予想は22円です。2022年8月期は利益が少し下がっても14円を据え置き、2025年8月期は利益が下がった中でも16円から17円に増やしています。

EPSと配当性向の10年

EPSと配当性向のグラフ

EPSは38円から90円へ、2.3倍になりました。2018年・2022年・2023年・2025年の4回は前の年より下がっていますが、下がり方がいちばん大きいのは2018年8月期の38円から30円で、あとは1〜4円ほどです。

配当は12円から21円で1.75倍なので、EPSの伸びより小さく、配当性向は2017年8月期の31.3%から今期の23.5%に下がっています。30%を超えたのは2017年・2018年の2回だけで、あとは22〜29%台です。会社は短信で配当性向の目標を示していないので、20%台が会社の方針なのかは今回の資料では分かりません。

利益が落ちた年を見ると、2022年8月期は配当を据え置いて配当性向が22.6%から23.9%に、2025年8月期は増配して25.2%から27.9%に上がりました。利益が下がっても配当を守る動きで、配当性向が上がる年があるのは良い形です。ただ、2018年8月期だけは減配でした。来期は配当22円・EPS予想77.65円で、配当性向は28.3%の予想です。

営業キャッシュフローの10年

営業キャッシュフローの10年(棒グラフ)

10年のうち9年がプラスで、マイナスは2022年8月期の−1.9億円だけです。ただ、前の年より減った年が5回あり、ジグザグしています。

そのマイナスの2022年8月期を短信で見ると、税引前利益は5.0億円あったのに、仕入債務が4.5億円減り(仕入先への支払いが先に出た形)、法人税等の支払い2.0億円も重なって、−1.9億円になっています。本業の稼ぎが落ちた結果ではなさそうです。

今期は10.2億円と大きく増えました。2022年8月期とは逆向きの動きで、短信で中身を見ると、税引前利益の7.3億円のほかに、仕入債務の増加4.5億円が入っています。売上債権の増加(1.3億円)は引かれています。仕入債務の増加を除くと約5.7億円で、前期(同じように除くと約3.2億円)より増えているので、利益の伸びに見合う改善はあります。ただ、仕入債務は前期末から約17%増えていて、売上の伸び(6.7%)より速い動きです。支払い時期の影響があれば、来期に戻る可能性があります。この会社の営業キャッシュフローは、仕入債務の増減でプラスにもマイナスにも約4.5億円ブレる、というのが10年を通した特徴に見えます。

配当金の支払いは約1.0億円で、営業キャッシュフローの約1割です。設備投資にあたる有形固定資産の取得は1.1億円と小さく、現金等は7.6億円増えて29.6億円になりました。

魅力と懸念

  • 魅力:EPSが10年で2.3倍になり、自己資本比率は34.3%から48.1%まで上がりました。現金等29.6億円が有利子負債9.55億円を上回っていて、実質無借金です。PBR 0.79倍、PER 9.4倍と割安で、配当性向が20%台なので増配の余地もあります。現金等と投資有価証券(9.5億円)を足すと約39億円あり、時価総額(約42億円)に近い大きさです。
  • 懸念:営業利益率が2.8%と薄く、粗利率が1ポイント動くと営業利益が約2億円、今期の営業利益の3分の1強が動く構造です。今期の営業キャッシュフローと現金の増加には仕入債務の増加(4.5億円)が効いていて、来期に戻る可能性があります。純利益は来期予想が4.25億円と13.2%減で、今期は投資有価証券の売却益(0.8億円、特別利益)が押し上げていました。配当は10年で1回減配があり、会社が配当性向の目標を示していないので、増配が続くかは利益次第です。株価は年初来で640〜895円と動いていて、利回りも3.0%ぎりぎりです。

まとめ

順調なのは、営業利益が3割増えて過去最高になり、EPSが10年で2.3倍、自己資本比率が48%まで上がって実質的に借金のない財務になっている点です。気になるのは、営業利益率が2.8%と薄いこと、今期の営業キャッシュフローと現金の増加に仕入債務の増加が効いていること、来期予想は純利益が減る形になっていることです。私は、利益の水準が一段上がったことの影響のほうが強いと読んでいます。ただし営業キャッシュフローの10.2億円は、来期に仕入債務が戻るかどうかで見え方が変わりそうです。みなさんはどう読みますか?

次の決算のメモ

  • 2027年8月期の中間決算(2027年4月ごろ):営業利益(会社予想2.84億円)の進捗、粗利率(今期24.1%)、営業キャッシュフロー
  • 2027年8月期の通期決算(2027年10月ごろ):営業キャッシュフロー(今期10.2億円。仕入債務の増加4.5億円が戻るか)、年間配当(会社予想22円)、純利益(会社予想4.25億円)、自己資本比率(48.1%)

免責

このブログは個人の見解であり、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。掲載の数値は執筆時点で確認できたものです。

出典

  • ケイティケイ 2026年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年10月2日)
  • ケイティケイ 2025年8月期 決算短信(2025年10月2日)、2022年8月期・2017年8月期 決算短信(会社・東証開示資料)
  • 売上・利益・EPS・配当・配当性向・営業キャッシュフロー・自己資本比率・有利子負債・現金等:IR BANK
  • 株価・時価総額・PER・PBR・年初来高値安値:Yahoo!ファイナンス(前日終値726円)