不動産株はどこで底打ちする?当てにいかず「待ち方」を決めることにした

3C不動産業

最近、不動産株がずっと下がっています。三井不動産は10月5日に1,420円まで下げて、年初来安値を更新しました。

「どこで下げ止まるのか」が気になって、いろいろ調べて考えてみました。先に結論を書くと、底は誰にも当てられません。でも「待ち方」なら決められます。 そのあたりを整理してみます。(2026年10月6日時点の情報です)

何が起きているのか

4月から10月2日までに、日経平均は約34%、TOPIXは約17%上がっています。ところが、三井不動産・三菱地所・住友不動産などの大手不動産7社は、すべてマイナスです。株式市場全体は強いのに、不動産だけが置いていかれている形です。

原因は長期金利です。10年国債の利回りは9月2日に初めて3%を超え、10月1日は3.092%でした。

おもしろいのは、売られている理由が「利息の負担が増えるから」ではないところです。ある試算では、金利が1%上がったときに増える利息は、純利益の2〜5%程度。業績へのダメージは意外と小さいのです。

それでも下がっているのは、金利が上がるとビルの利回りの水準も上がり、持っているビルの評価額が下がるのではないか、と市場が見直しているからだと思います。私の中では、これは「業績が悪くなった」というより、ビルを測る物差しが付け替えられている最中、という感覚です。

「織り込み済み」は「もう下がらない」ではない

日銀の利上げについては、市場はかなり先まで織り込んでいます。野村證券の解説では、2027年3月の会合までに、合計0.5%の利上げが織り込まれているとのことでした。だから、来年の春ごろまでの利上げは、市場の想定に入っています。

ただ、織り込み済みというのは「予想どおりなら材料にならない」という意味です。株価が動くのは、予想より利上げが速いときや、到達点が引き上げられたときです。政策金利が2%近くまで行く、という見方もまだ出ています。

底を当てにいかず、待ち方を決める

底は後からしか分かりません。だから私は、当てにいくのをやめて、外れても傷が浅い買い方にしようと思っています。

ひとつ目は、分割で買うことです。たとえば予定額を3〜4回に分けて、1〜2か月ごとに買います。気分ではなく日付で買えば、さらに下がっても平均の取得単価がならされます。

ふたつ目は、サインを決めておくことです。私が見たいのは、「金利が上がっても、不動産株が前ほど下がらなくなる」という変化です。金利が上がっていない日でも下げ続けているなら、まだ売りが続いていると見ます。

みっつ目は、サインを見てからでも間に合う、と割り切ることです。最安値では買えませんが、それは「確認料」。下落の途中で買って含み損を抱えるより、底から少し上で乗れれば十分だと思います。

リートと変動10年国債の組み合わせ

個別株より、リート(J-REIT)のほうが向いていると考えています。会社を1つ選ぶ必要がなく、分配金をもらいながら積み立てられるからです。

ただ、リートは不動産株より金利に直接弱い面があります。東証REITのETFの分配金利回りは約5%ですが、10年国債が3.09%なので、差は約1.9ポイント。昨年末の2.5ポイントから縮んでいて、割安感は薄れています。「リートなら安心」とは言えません。

もうひとつ、個人向け国債の変動10年を積み立ててきた人なら、この組み合わせは相性がいいと思います。変動10年は金利が上がるほど利率が上がる側、不動産やリートは金利が落ち着くほど戻る側です。金利がどちらに動いても、片方が助けてくれる形になります。

ただ、気をつけたいことがあります。見るべきなのは、手元の国債の利率ではなく、市場の10年国債利回りです。変動10年の利率は半年ごとの見直しなので、動きが見えるのは遅れてからです。それに、金利が落ち着く理由が景気の悪化なら、不動産も一緒に売られることがあります。「金利がどうなったか」だけでなく、「なぜ落ち着いたのか」も見ておきたいところです。

私の今の考え

金利の反応を見ながら、リートを分割で買い始めようと思っています。10月と12月の日銀会合で、市場の反応を2回見られるので、それまでは観察に使います。

一文で言うと、こうです。

「底を当てる」のをやめて、「外れても死なない待ち方」を決める。

※この記事は個人の考えを整理したもので、特定の商品の売買を勧めるものではありません。投資の判断は、ご自身でお願いします。